安寧

HE★VENSの天草シオンだ。

今日は天草の生まれ出でし日である。
それと同時に、遠方での撮影が行われた日でもあった。


帰り着いてからでは宴には遅すぎるからと、
仕事が終わったところで皆がとあるところへ招いてくれた。

天草が密かに行きたいと心寄せていた、
風光明媚な庭園だ。

優しい明かりに照らされて、鮮やかな赤に染まった葉が
ふわりと闇夜に浮き上がる。
鏡のような池の水面に映り込む反転した樹々は
幻の世界への誘いのようにも思えた。

覚えず漏らした吐息も、そっと辺りの空気に
吸い込まれていくようだった。


あまりの見事さについ見入ってしまい礼の言葉が
遅れてしまったのだが、皆は天草の喜んでいるさまが
よくわかったので嬉しいと言ってくれた。

それから、贈り物は景色だけではない、と
もうひとつ品物まで手渡してくれたのだ。

早速その場でおろして使用した。

皆の優しさに包まれ、
ひたすらに幸せを感じることができた。




エンジェルも、数多の素晴らしき言葉を
贈ってくれて、何よりも感謝している。
その真心を想えば、できぬことなどきっと何もない。



天草も、たとえ僅かだとしても
そなたを支えることができるように、
いつでもしっかり前を見つめていきたい。

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