パーティ

やぁ、レディたち。
たくさん美味しいチョコレートをありがとう。

本当ならお礼も兼ねて
今日はデートをしたかったんだけど……。

あいにく先約があってね。
イッチーやおチビちゃん達が主催するパーティに呼ばれていたのさ。

まさか、この年でお誕生日会が開かれるとはね。
発案は誰なんだか……。

けどまぁ、それもおもしろい。
せっかくだから参加させてもらったよ。

料理から部屋の飾りつけまですべてが手作りで
なかなか新鮮だったな。

たまには、ああいうのも悪くない。
あんな風に素直に祝われるのは初めてだからね。

少し気恥ずかしい気もしたが……。
心から感謝したいと思った誕生日は今日が初めてだよ。

感謝の気持ち

今日はやたらとじいが張り切っていた。
毎年この時期は、同じことの繰り返しなのでもう慣れたが……。
たまには直接対応したい。

じいの過保護ぶりにも困ったものだ。
今日は休み時間のたびにうちのクラスにやってきて
ずっと俺に張り付いていた。

誰かが俺に話しかけようとするたびに
取次ぎは自分がと言って強引に……。

ああなっては、俺にも止められなくてな。
皆には本当に申し訳ないことをした。

そんな状況にもかかわらず今年は
チョコレートをもらうことができた。
感謝してもし足りないな。

じいの相手は大変だったと思う。
せめて来月は俺から直接礼をしなければ……。

本当にありがとう。

離れて気付く大切さ

この前ジョージが……。

あぁ、ジョージってのは、オレの世話係みたいなものさ。
いつもは隣の部屋にいるんだが……。
「少し出て来る」
と言って三日程、帰って来なかった。

世話係といっても
聖川の教育係のじいさんのように口うるさく干渉してくることはないし、
普段、寡黙すぎるほど寡黙で、
いるんだかいないんだかわからないような奴だけど。

いざいなくなると……。
やっぱり少し物足りないものだね。

子供の頃から傍にいるのが当たり前だったから
もう殆ど空気みたいなものだったが、
離れてみるとその存在が自分にとってどんなものなのかがよくわかる。

いるのかいないのかよくわからないからといって
いなくていいわけじゃない。
ただ、いるのが当たり前になりすぎて
普段は気に留めていないというだけなんだろうね。

ねぇ、レディ。
キミはずっと傍にいてくれる?

レディには片時も俺の傍を離れないでいて欲しい。
できればずっとこの腕に抱いていたい。
そう願うのはイケナイことかい?

立春

立春とは春の始まり、
そして、旧暦では今がちょうど正月にあたる。

昔の人は春の始まりを1年の初めにしたのだろう。
その気持ちはよくわかる。

確かに1年の始まりは正月からだが、
4月に入学、3月に卒業するからだろうか、
なんとなく1年の始まりは4月のような気がするのだ。

1月や2月は年の初めではあるのだが、
どこか物悲しく、
ああ、もうすぐ終わってしまうという気にさえさせられる。

学生時代は特に1月から3月は短く感じるものだ。

だからこそ、今しかできないことをしておきたいと思う。
友と年中行事に参加するのもそのひとつだ。

しかし、昨日のアレは少々過酷だったな。
あの帽子がよくなかったのだろうか……。
もし、次回があるのであればデザインを変えた方がいいかもしれないな。

LESSON7 ~愛の恵方巻き~

やぁ、レディ。
最近寒いけど元気かい?

温もりが欲しくなったらいつでも言ってくれ、
オレが直接温めてあげる。

そういや、さっき寮の入口でおチビちゃん達が豆まきをしてたっけ。
約一名を除いてみんな汗だくだった。

シノミーの投げる豆は壁にめり込むほどの威力だからな、
そりゃ、おチビちゃんやAクラスの連中が必死になって逃げもするか……。
あれだけ動けば体も温まるに違いない。

ん? オレは豆まきしないのかって?
部屋でそんなことしたら後で豆を片付けるのが面倒だろう?
オレはそういうことはしない主義さ。

それより、恵方ロールを買って来たから後で一緒に食べない?

ん? 恵方巻きじゃないのかって?
それもいいが、せっかくキミと過ごすなら恵方ロールの方がいいと思ってね。

甘く蕩けるようなロールケーキとともに、
甘い時間を過ごそうじゃないか。

そうそう。
恵方ロールも、食べている間は恵方巻きと同じで
一言も喋っちゃだめってことにしよう。

だから、食べている間はずっと俺の瞳だけ見つめていて……。

もちろん、オレが食べている時も
ずっとオレだけ見つめていて欲しい。

ねっ、いいだろレディ。

毛糸

今日、購買に行ったら
菓子作り用の調理器具や毛糸、それから編み棒などが売っていた。

今まで簡単な裁縫セットなどは売っていたが
よもや購買で毛糸が販売されるとは……。

最近特に冷え込んでいるから編み物を始めるものもいるのだろう。
やはり毛糸をつかった衣服は暖かいからな。

定番はマフラーだが、手袋やセーター、帽子なども奥深いものだ。
ああいった単純作業は心を落ち着けるのに適している。

せっかくなのでひとつ買ってみたのだが
購買の店員に変な顔をされてしまった。
やはりどうせ買うのなら数種類の毛糸を買うべきだったか……。

今度通りかかった時にまだ売っていたら
買ってみるとしよう。

LESSON6 ~愛のLyrics~

歌の歌詞……ね。

そんなものはフレーズとニュアンス…
それから愛情があれば自然と形になるものさ。

歌詞を書くのに調べたり考え込むなんて
ナンセンスなことは、オレはやらないねぇ。

オレのために作ってくれたメロディ。
そこに愛がある以上、
愛のない歌詞なんか書けやしない。

どうしたって、情熱的になってしまうものだ。

オレは感じるままに愛を歌う。
それだけでいい。
答えはすべて歌の中に……。

そういうことさ。

おっと、これだけじゃLESSONにならないか……。
Sorry…レディ。

愛に溢れた歌詞を書きたい時は
心に愛しい人を思い浮かべてごらん。

そうすれば、ほら浮かんでくるだろう。
どうしても伝えたい想いってヤツがさ。
キミはただそれを心の赴くままに書き連ねればいい。

音数なんて野暮なことはいいっこなしだ。
まずは感じること。

思いついたら思いついただけペンを走らせる。
そうしてたくさんの想いが形になったら、
そこから初めて音楽に合わせればいい。

大丈夫。心に歌がある限り、
必ずぴったりくる言葉が見つかるはずさ。

歌詞について……か。
卒業オーディションの曲はその……。
少々、情熱を傾け過ぎている気もするので
このような場で書くのは気恥ずかしいのだが……。

課題ならばしかたあるまい。
腹をくくって綴るとしよう。

歌の歌詞を書くにあたり、
俺はたくさんの詩を読んだ。
それはもう古いものから新しいものまで数え切れないほどに。

人の心をうつ言葉がどのようなものなのか
どういった言葉なら俺のこの想いを伝えることができるのか
それを知りたかったのだ。

詩と詞は別物だが、最初に書かれた時には
音楽がつくと想定されていなかった詩の中でも
後に曲がつくものもある。

それが言葉である以上、
そのものが持つ輝きに違いはないはすだ。

だから、俺は幾億の言葉の中から
俺だけの想いを伝える言葉を選び
連ねていこう。

心の奥に秘めたこの想いを
正しく聴く者の心へ伝えるために……。

心の奥底に降り積もっていった幾千の感情は
理性と言う名の壁に堰き止められ
そして…今溢れようとしている。

この想いを、ただこの歌に託すのみ
今の俺にはそれしかできないのだから……。

LESSON5 ~愛の新年~

やぁ、レディ。
久しぶりだね。

キミは新年をどう過ごしたのかな?
オレはまぁいつも通りさ。

家に顔を出しに横浜には帰ったけど、
特に何をするでもなくベッドでまどろんでいたよ。

家の外へ出なかったわけではないけれど、
別段変わったことは何もなかったね。
しいて言えば、偶然知り合ったレディとお茶を楽しんだくらいかな。

ああ、それから、一応家の都合で
新年パーティーには参加したけれど……。

あれは退屈だった。
美しいレディの相手をすること以外、
さしておもしろくもないパーティーだったな。

今度は是非キミとディナーを楽しんでみたいよ。
例えばそう……。

レン 横浜

こんな夜景を眺めながら愛を語らいたいものだね。

帰省

本格的に授業が始まり、
久しぶりに皆と雑談をした。
休み期間中はそれぞれ有意義に過ごしたようで何よりだ。

四ノ宮は実家に帰省した
らしく
土産にと、うに味の飴をもらったのだが……。
なんとも表現しづらい味だった。

俺も正月は東京を離れた。
祖父に新年の挨拶をするため、京都へ行ってきたのだ。

生まれた土地だからだろうか、
やはりこの街は居心地がいい。
水が合うというのだろうな。

元旦だというのに路地は賑わい、活気に満ちていた。

真斗-京都

たまにはあのように街を歩くのもいいものだな。
せっかくだから皆に土産をと思ったが
いざ買おうとすると悩むものだ。

最初はいろいろ買って各自好きに選べば良いかとも思ったが
欲しいものがかぶる可能性もあるし、人によって差をつけるのもしのびない。
それで結局、定番の八つ橋にしたのだ。

聖川家御用達の隠れた名店が近くにあったので
そこで良い物を見繕ってもらった。

洋菓子はあまり好んで食べないのだが、
和菓子は好きでな。

特にあの店の八つ橋は絶品なのだ。
あれなら皆も気に入ってくれるに違いない。

俺は普通のものでもよかったのだが、店主が気を使ってくれて
通常なら予約で半年待ちの商品を販売してくれた。

少々申し訳ない気もしたが、
皆が喜んでくれたのでよしとしよう。
店主の好意に感謝だな。